Q1治療費や生活費などお金についての悩みはどこに(誰に)相談できますか?

A決して早まって仕事を辞めるなどの決断をしないでください。会社や「がん相談支援センター」のソーシャルワーカーに相談を。

がんと診断されても、決して早まって仕事を辞めたりせず、まずは働き方について会社の産業医などに相談するといいでしょう。 がんの告知を受けて、十分に考える余裕がないうちに仕事を辞めてしまう人も少なくなく、退職・求職などで収入が減ってしまう一方で、治療費や治療以外の出費(通院のための交通費、ウィッグなど)がかさむなど、経済的な問題を抱える人も多くいます。 また、AYA世代でも、特に社会人の患者さんは、親から援助してもらうことをためらう気持ちも大きいようです。ソーシャルワーカーは経済的な問題についての相談も受けており、活用できる制度の紹介や、対策についてのアドバイスのほか、医療費については傷病手当金などの医療費助成制度もあるため、まずは、活用できる制度や援助がないか相談してみるといいでしょう。

答えた人
がん研有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研 先生

体験者エピソード

体験談は、あくまでその方個人の感想・体験です。すべての人に当てはまるものではありません。年齢・地域は取材当時のものです。

宮部治恵さん

自分から退職を申し出たが、会社の仲間が引き止めてくれた

【宮部治恵さん(48歳)発症34歳/子宮頸がん、直腸がん】

治療中は体調が悪くて会社を休んだり、ロッカールームで寝ていたりしていて、あまりにも会社に迷惑を掛けるので自分から退職願を出しました。でも、その当時の社長や店長やいろんな人から「お前は何を言っているんだ。離婚して一人暮らしになってお金がかかるのに仕事を辞めてどうするんだ。仕事を辞めたらもう周りに誰もいないぞ」と怒られて、仕事を続けさせてもらったんです。

実際に、一人で家にいると、「このままいなくなっても誰も分からないんじゃないか」とマイナスなことしか考えられませんでしたから、あの時もし会社を辞めていたら、ここにいなかったかもしれません。

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  • 監修:がん研有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研 先生

2024年2月更新