Q1妊よう性(子どもをつくる能力)温存についての悩みはどこに(誰に)相談できますか?
Aまずは主治医に相談を。必要があれば専門施設や相談窓口へ仲介します。
がんの治療により、妊よう性(子どもをつくる能力)が失われることがあります。妊よう性が失われるリスクや、そのための対策については主治医が説明しますが、希望すれば、治療前に精子や卵子を採取して保存しておくことも可能です。妊よう性について相談したい場合、まずは主治医に相談してみましょう。必要と考えられる施設や相談窓口などに橋渡ししてもらえるはずです。自分で調べたい、相談したいという場合には、厚生労働省の研究班による妊よう性に関する情報サイトなどのほか、妊よう性についての相談窓口を設置している医療機関もあります。
- 答えた人
- がん研有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研 先生
体験者エピソード
体験談は、あくまでその方個人の感想・体験です。すべての人に当てはまるものではありません。年齢・地域は取材当時のものです。
将来後悔しないためにもきちんと説明を受け、よく考えた上で判断してほしい
【古谷 浩さん(43歳)発症31歳/性腺外胚細胞腫】
抗がん剤治療を始める前に先生や看護師さんに言われたのは「精子凍結やっておく?やっておいたほうがいいよ?」くらいの簡単なものだったように思います。医療者にとっては当たり前のことでも、一般の、それも30代のまだ若い男にとって、生殖機能についての話は話題にしにくい、あまり触れられたくない話じゃないですか。そんなデリケートなことをいきなり言われて恥ずかしい気持ちもあり、まともに検討できなかった。
あのとき、妊よう性についての詳しい説明やカウンセリングなどがあれば違っていたかもしれませんが、具体的にその場でよく考えるというのは僕には難しく感じました。同じような状況の人がいたら、詳しい説明を求め、判断してもらいたいと思います。
子どもがほしかった。しかし、知識がなく、妊よう性を温存する方法を聞くことすらできなかった
【宮部 治恵さん(48歳)発症34歳/子宮頸がん、直腸がん】
子宮と卵巣も取ることになりますということを言われて、今だったらいろんな知識があるので、何か他に治療法はないんですかと聞いたと思うんですけど、そういうことを聞くことも分からなくて、言われるままに取りました。がんになってしまったことはすごくショックでしたが、それ以上に、子宮と卵巣を取らなくてはいけない、つまり、子どもを産めない身体になってしまったことがつらかったです。
- 監修:がん研有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研 先生
2024年2月更新