用語集

アピアランスケア

「アピアランス」は、人や物の外見を意味する言葉です。がん患者さんに対するアピアランスケアとは、がんの治療で起こった脱毛、皮膚の変色、手術の傷跡など、外見の変化に関する不安・悩みを軽くして、治療中も自分らしく生活できるようサポートすることです。
「手術の傷跡が気になる」「皮膚の変色を隠したい」などの不安や悩み、「治療が終わり髪の毛が生えてきたけれど、髪は染めてもいいの?」「ざ瘡がある場合のヒゲそりは?」といった日常生活での疑問など、年齢・性別を問わずあらゆる外見の問題に皮膚科医・形成外科医・腫瘍内科医をはじめ、心理士・薬剤師・看護師・美容専門家などのスタッフが対応しています。

参考)国立がん研究センターがん研究開発費
「がん患者の外見支援に関するガイドライン構築に向けた研究」班編
「がん患者に対するアピアランスケアの手引き 2016年版」, 金原出版株式会社, 2016 /
国立がん研究センター中央病院Webサイト アピアランス支援センター

患者会

患者会とは、同じ病気や障害、症状など、共通する体験を持つ人たちが集まり、自主的に運営する会のことです。
特定のがんに限定している会、複数の種類のがんを対象にしている会など、さまざまな患者会があり、活動内容も会によって異なります。また、がん患者さんを家族に持つ人たちが悩みを共有し支え合う、家族会もあります。家族会も、親の会やきょうだいの集まりがある会など活動はさまざまです。

参考)国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター編著
「患者必携 がんになったら手にとるガイド 普及新版」, 株式会社学研プラス, 2015, p. 69-75.

がん診療連携拠点病院

がん診療連携拠点病院等とは、全国どこであっても質の高いがん医療を提供することができるよう、専門的ながん医療の提供、がん患者に対する相談支援、そして情報提供等を行っている病院です。

参考)厚生労働省「がん診療連携拠点病院等とは」

関連リンク がん情報サービス「がん診療連携拠点病院などを探す」

がん相談支援センター

がん相談支援センターとは、がんの治療や療養に関することはもちろん、担当医など医療者とのコミュニケーションの取り方や、経済的負担に関すること、学校生活や就労に関することなど、がん患者さんやご家族が抱えるあらゆる疑問・悩み・不安を相談できる窓口です。全国の「がん診療連携拠点病院」「小児がん拠点病院」などに設置されていて、ソーシャルワーカーや看護師のほか、がん専門相談員としての研修を受けたスタッフが対応しています。
また、具体的な相談事だけでなく「つらい気持ちを誰かに聞いてほしい」というときもサポートします。がん患者さんやご家族はもちろん、地域の方など、どなたでも無料で利用できます。

参考)国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター編著
「患者必携 がんになったら手にとるガイド 普及新版」, 株式会社学研プラス, 2015, p. 29-34. /

がん情報サービス「がん相談支援センター」とは

経済的負担に対する制度(医療費助成、傷病手当金等)

経済的な問題から治療をあきらめなくてもすむように、医療費負担が軽くなる仕組みのほか、さまざまな公的助成や支援の制度が設けられています。
例えば、がんの治療で医療費の自己負担分が高額になってしまった場合、医療費の費用負担を軽くする高額療養費制度という公的制度の利用が可能です。また、会社員や公務員で受給条件を満たしている方は、治療などのために休職している間も給料(日額)の3分の2に当たる額を受け取ることができます。
経済的負担に対する制度の利用に関しては、がん相談支援センターや各自治体の相談窓口、ソーシャルワーカーなどに相談することができます。

参考)国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター編著
「患者必携 がんになったら手にとるガイド 普及新版」, 株式会社学研プラス, 2015, p. 101-113.

社会保険労務士

社会保険労務士(社労士)は、社会保険労務士法に基づく国家資格者で、労働・社会保険に関する法律や、人事・労務管理の専門家です。その業務は、労働社会保険手続、労務管理の相談指導、年金相談など多岐にわたり、がん患者さんの就労相談もそのひとつです。休職や勤務時間などに関して勤務先の制度をどう活用できるのか、治療や休職の際に利用できる保険、手当金、給付金についてなど、仕事と治療を両立するための相談に対応しています。社労士に相談したい場合には、全国社会保険労務士会連合会のサイトから各都道府県の社労士を探せます。

参考)全国社会保険労務士会連合会Webサイト「社労士とは」

障害年金

病気やケガによって日常生活や仕事が制限されるようになった場合に、年金を早くから受給できる制度です。目に見えて身体の機能が障害された場合だけでなく、がんにより、長期療養が必要で仕事や生活が著しく制限を受ける状態になったときにも申請できます。
初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日)に加入していた年金の種類によって、障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金(厚生年金)に分かれています。初診日が20歳になる前であっても、原則として、20歳に達した時点で条件を満たしていれば、障害基礎年金の支給の対象になります。
障害年金の対象となる障害等級は、身体障害者手帳の等級とは異なり、手続きも別に行う必要があります。詳しくは、がん相談支援センターや各自治体の相談窓口、ソーシャルワーカー、社会保険労務士などにご相談ください。

参考)国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター編著「患者必携 がんになったら手にとるガイド 普及新版」/
政府広報オンライン(平成28年11月16日)「障害年金の制度をご存じですか?」

関連リンク 日本年金機構「障害年金」

小児がん拠点病院

小児がん拠点病院とは、特に小児がん患者さんとそのご家族が、より質の高いがん医療や支援を受けられるように環境が整備されている病院です。

参考)厚生労働省「小児がん拠点病院等の整備について」(平成29年1月16日最終改正)

関連リンク がん情報サービス「小児がん拠点病院を探す」

精神腫瘍科

精神腫瘍科とは、がんに関連した心の問題のケアを専門にする精神科医・心療内科医・心理士などが、がん患者さんとご家族の心のつらさを和らげるための支援を行う診療科です。カウンセリングやリラクゼーション(心身を意識的にリラックスさせる方法)、薬物療法などの治療が行われます。
眠れない、気分が落ち込む、治療や将来に対する不安、対人関係によるイライラなど、ストレス全般に関して相談することができ、専門医によるカウンセリングや治療を受ける場合は健康保険が適用されます。

参考)がん情報サービス「専門家による心のケア」

ソーシャルワーカー

医療費などの経済的な不安や、学校や仕事に関する悩み、在宅サービスの利用申請など、患者さんの生活全般にわたる相談を受ける専門家をソーシャルワーカーと呼びます。ソーシャルワーカーは病院の「総合相談室」や「医療福祉相談室」、「がん相談支援センター」や「地域連携室」などに所属し、患者さんが快適な生活を継続できるようサポートしています。
どこにも、誰にも相談できないと感じたときには、まずはソーシャルワーカーに相談することをお勧めします。患者さんご本人だけでなく、ご家族からの相談にも対応しています。

参考)がん情報サービス「ソーシャルワーカー」 / がん情報サービス「がん相談支援センター」とは

妊よう性

妊よう性とは、生物が子孫を残すための繁殖力、つまり子どもをつくる能力を意味します。
がん治療では、性腺(卵巣または精巣)の機能が低下したり、場合によっては子宮・卵巣・精巣などの生殖臓器を失ったりと、将来子どもを持つことが難しくなることもあります。患者さんとご家族、医療者にとって最大の目標は病気の克服であり、従来は治療のために、将来の妊娠・出産をあきらめざるを得ない面もありました。しかし近年、医療技術の進歩によりがんを克服する患者さんが増えたことから、患者さんの治療後の生活の質(QOL=quality of life)にも目が向けられるようになり、若年層のがん患者さんが将来子どもを持つ可能性を考慮して、生殖機能を温存する「妊よう性温存治療」が行われるようになってきています。

参考)国立がん研究センター中央病院 相談センター編
「がんと妊娠の相談窓口 がん専門相談員向け手引き 第2版」 /
特定非営利活動法人日本がん・生殖医療学会 がん治療と妊娠

ピアサポート

ピアサポートとは、同じような悩みや経験を持つ人同士が、「仲間=(Peer ピア)」として対等な立場で支え合う活動を指し、ピアサポートを行う人を「ピアサポーター」といいます。がん患者さんやご家族の悩みや不安に対して、ピアサポーターが自らの経験を生かして相談や支援を行うことで、お互いに支え合い、悩みの解決につながることが期待されています。ピアサポーターは、患者会や患者サロンのほか、一部の都道府県に設置されている地域統括相談支援センター、がんの診療を手がけている大規模な医療機関の相談窓口などで活動しています。

参考)平成24年度 厚生労働省委託事業 がん総合相談に携わる者に対する研修プログラム策定事業
「研修テキスト がんピアサポーター編~これからピアサポートをはじめる人へ~」 /
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター編著
「患者必携 がんになったら手にとるガイド 普及新版」, 株式会社学研プラス, 2015, p. 69-75.

訪問教育

訪問教育は、病気や障害のために通学が難しい児童・生徒に対して、特別支援学校の教師が入院先の病院や自宅を訪問して授業を行う制度です。近隣の特別支援学校のほかにも、在籍している高校からの支援が可能な場合もあります。特別支援学校による訪問教育を利用するには、主治医の許可を受け、在籍の学校で相談の上、転籍の手続きを行います。高校の場合は在籍校を一旦退学しなければいけませんので、復学するときに転入試験を求められることもあります。また、病院や自宅の近くに特別支援学校があるかどうかや、対応できる教員がいるかどうかによって、すぐに利用できないこともあります。訪問教育を希望する場合は、近隣の特別支援学校やソーシャルワーカーなどにご確認ください。

参考)新平鎮博ほか,「小児がんのある高校生等の教育に関する調査報告」,
国立特別支援教育総合研究所ジャーナル, 第6号, 2017, p.6-11. /
国立がん研究センター小児がん情報サービス「がん専門相談員のための小児がん就学の相談対応の手引き」
  • 監修:国立がん研究センター中央病院 清水 研 先生