Q1学校にはどう伝えたらいいですか?
A伝えることのメリット・デメリットを知った上で、これからの学校生活が送りやすくなる方法を考えていきましょう。
クラスメイトや学校の先生に、どんな風に説明すればいいだろうと悩むかもしれません。学校の先生に伝えることでコミュニケーションがスムーズになって、友だちと一緒に進級するために出席日数や単位を取るための方法を具体的に相談することができます。
一方で、自分の口から言わないうちに、クラスメイトに知られる可能性もあります。クラスメイトだけではなく、その家族や学校全体へと、知らない人にまで自分の病気について知られてしまう可能性もあります。知らないうちに皆が知っているのは嫌ですよね。学校や担任の先生に伝える際には、クラスメイトにはどのように説明して欲しいのか(もしくは、説明して欲しくないのか)、必ず自分の希望を伝えましょう。
ソーシャルワーカーはご本人と親御さんと一緒に、どうしたいかを考えて、学校への説明のお手伝いをすることもできます。
- 答えた人
- ソーシャルワーカー、社会福祉士・精神保健福祉士 樋口 明子さん
体験者エピソード
体験談は、あくまでその方個人の感想・体験です。すべての人に当てはまるものではありません。年齢・地域は取材当時のものです。
クラスメイトには「治療すれば治る」ことを伝えて欲しいと先生にお願いしました
【米井 慶太郎さん(17歳)発症16歳/小児慢性骨髄性白血病】
部活の仲間など親しい友だちには自分で電話して、「少し時間はかかるけれど、治療法があって治る病気だから」と伝えました。
クラスメイトには先生から伝えてもらいましたが、移植という治療法があって必ず治る病気だということを伝えて欲しいとお願いしました。あまり心配をかけたくなかったのと、必ず治ると信じて待っていて欲しかったからです。
部活の顧問の先生やクラスの担任の先生は、僕がみんなと一緒に進級できるように学校にずいぶん働きかけてくれました。そのおかげで、無事に進級することができましたし、部活動も第一線で活躍するという立場からサポート側へと役割の変化はありましたが、高校3年で引退するまで続けることができました。
周囲の手厚い対応が逆に、クラスメイトの嫉妬を生んだことも
【山本 美裕紀さん(38歳)発症32歳/口腔がん】
みんな勉強や実習に精一杯だったこともあるのですが、他の実習グループの人たちから、「何で山本さんだけあんなに先生たちから手厚い対応を受けているのか」という態度を取られたことがあります。先生をはじめ、多くの人たちは応援してくれていましたが、病気になるまでの自分を良く知らない人からは嫉妬や快く思われないこともありました。
- 監修:がん研有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研 先生
2024年2月更新