Q3家族にできることはありますか?

Aなによりも普段通りに接することです。過剰な心配をしすぎず、温かく見守りましょう。

「家族は第二の患者」と言われるほど、がん患者さんのご家族も大きな不安や悩みを抱えています。思春期とも重なるAYA世代のがん患者さんは、ご家族に不安を打ち明けないことも多く、そばで支えるご家族が、「もっと弱音を吐いていいのに」「どう支えたらいいのか」と悩むこともあるようです。よく患者さんからお聞きするのが「普通通りに接してくれる」ことが一番ありがたいという言葉です。なので、ご家族としては「不安や悩みがあればいつでも相談にのるよ」というメッセージを発信しつつ、あまり過剰に心配しすぎたり、無理に話させたりせず、温かく見守ることが理想です。

がん相談支援センター精神腫瘍科などでは、ご家族の相談も受けています。ご本人をしっかり支えるためにも、不安や悩みがある場合にはご家族もソーシャルワーカーや医師、カウンセラーに相談したり、カウンセリングを受けたりすることをおすすめします。

答えた人
がん研有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研 先生

体験者エピソード

花木裕介さん

あえて気を遣いすぎずに接してくれた妻に感謝しています

【花木 裕介さん(39歳)発症38歳/中咽頭がん】

治療後、仕事に復帰できたのですが、9ヵ月の休職期間というブランクがあったこと、体調も完全には戻らず以前のように「100%全力でバリバリ」仕事ができないことで、自信がどんどんなくなっていきました。会社は治療しながら仕事ができるように配慮してくれて、とてもありがたいと思う反面、気を遣われて仕事をふられない状況がつらかったです。一方で、妻は「困ったら声かけて」と、あえて放置してくれました。「リハビリと一緒でやらないと戻らないから、とにかく普通にやってみて。できないことはサポートするから」というスタンスでそばにいてくれたのはありがたかったですね。

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高橋尚希さん

あえて「変わらずに」接してくれたことをありがたく感じました

【高橋 尚希さん(31歳)発症26歳/肺がん】

がんと診断されたときは実家で生活しており、告知は両親と一緒に受けました。両親もショックだったと思うのですが、僕の前ではそんな様子を見せず、「治療を頑張ろう」と励ましてくれました。その後も、父は病気のことを調べるなど、さまざまな情報を得るために奔走してくれました。母も本当は心配していると思うのですが、良い意味で告知前と変わらず、普段通りに接してくれています。何も「変わらないこと」。それが私にとってはすごくありがたかったです。

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  • 監修:がん研有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研 先生