Q2AYA世代のがん患者さんは、外見の変化に対してどんな工夫をしていますか?

Aメイクや帽子など、ちょっとした工夫で気持ちが変わることもあります。同じ仲間やプロの方の知恵を借りてみてはどうでしょうか。

がんの種類や治療法によって、起こる外見の変化はさまざまです。男性・女性問わず、傷跡や脱毛、色素沈着、爪の傷みなど、悩みは多様です。最近では、ウィッグの着用やメイクの工夫、爪の保護の仕方など、さまざまなアピアランス(外見)ケアを教えてくれるWebサイトやセミナーがありますし、専門外来がある病院もあります。メイクアップセミナーなども全国で開催されています。

しかし、隠すことばかりがアピアランスケアではありません。ウィッグやメイク、帽子やスカーフで、外見の変化を自分自身で受け入れ、次の一歩を踏み出すきっかけになるといいですね。普段はしないような流行りの髪形や派手な色のウィッグをファッションとして楽しむことで、新たな自分を発見している人もいます。「病気をしている人と見られたくない」、「気を使われたくない」、「可愛く見られたい」、「カッコよく思われたい」など、当然の気持ちを当然のこととして、ファッションを楽しんでいけるといいですね。

「見られることに慣れよう」と決めてウィッグをやめた人もいます。そうやって、自分なりの価値観で、少しずつ外見の変化を受け入れていくことが大事だと思います。同じ経験をした仲間やメイク、ファッションのプロの知恵を借りながら、自分なりの工夫を見つけていけるといいですね。

答えた人
公益財団法人がんの子どもを守る会 ソーシャルワーカー 樋口 明子さん

体験者エピソード

菅原祐美さん

別人のようなウィッグよりも、ベリーショートの髪型が私らしい

【菅原祐美さん(33歳)発症告29歳/乳がん】

抗がん剤で髪が抜けると聞いてすごくショックでした。ウィッグを準備したけれど、ウィッグは基本、前髪があるヘアスタイル。私の前髪は生える方向が独特で、前髪を下ろす髪型にしたことがなかった私には違和感しかありませんでした。治療中に元の職場に用事があってウィッグをかぶって行ったのですが、同僚が私だと気づいてくれなかったくらい、私に前髪はあり得ないのです。鏡を見ても自分だと思えなくて、ほんとうに嫌でした。

保育士なのでウィッグで復帰したら子どもに引っ張られて外れるリスクもあります。驚くだけで済めばよいですが、引っ張った子どもがショックを受けるかもしれないという心配もあります。

そこで、思い切って、生え始めた髪をベリーショートのスタイルにして仕事に復帰しました。ベリーショートのほうが私らしいので、がん治療を受けていたことを知らなかった同僚や知人には、「髪を切ったんだね」と違和感なく受け入れられました。

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高橋尚希さん

帽子をかぶっていますが、自分が思うほど周りは気にしていないことも

【高橋尚希さん(31歳)発症26歳/肺がん】

抗がん剤の治療で髪の毛が抜けることは知ってはいましたが、実際に抜け始めるとすごくショックで、帽子をかぶって坊主にした頭を隠していました。そんなとき、ずっと続けていた卓球クラブの友人たちが僕の姿を見て、明るく「お!出家したんか」と笑い話のネタにしてくれたんです。それは僕にとって、「自分が思っているほど周囲は気にしていないんだな」と思えるようになった大きなきっかけでした。今でも帽子をかぶっていますが、この帽子が自分のトレードマークだと思っています。

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永迫 愛さん

髪が抜けたことはショックだったけど、落ち着いてからはウィッグを楽しむように

【永迫 愛さん(33歳)発症31歳/子宮頸がん】

外見の変化では、抗がん剤の副作用で髪が全部抜けたことがショックでした。心構えはしていたけど、洗面所やお風呂で髪が抜けるたびに泣いていました。髪が抜けることはわかってはいたので、事前にウィッグは用意してあり、出掛けるときには必ずつけていました。

抗がん剤治療が終わり、しばらくしてまた髪が生え始めたときは、すごく安心しました。それからは気持ちにも余裕ができたので、ウィッグを4種類ぐらい増やし、「今しかできないから」と金髪のウィッグをつけて楽しんでいました。

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山本 美裕紀さん

人の前で義歯や口腔内をケアすることがつらかった

【山本 美裕紀さん(38歳)発症32歳/口腔がん】

手術で上顎半分と健康な歯を全部取り、義歯になりましたが、「入れ歯=おじいちゃん、おばあちゃんのもの」という印象があり、この年齢で義歯となることがなかなか受け入れられなかったです。また、食事の後は義歯を外して洗い、注射器を使って口腔内も洗わないといけません。実習時など、お弁当を食べたりした後に、人の前で義歯を外して洗うことや、義歯を外し頬がへこんだ顔を見られるのが恥ずかしく、つらく感じました。先生のことも憎んでしまいました。でも今になって思うと、義歯のおかげで日に日に食べられるものが増え、会話もできようになり、義歯をしてよかったと思っています。

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  • 監修:がん研有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研 先生