AYA座談会
AYA座談会~男性ならではの本音トーク~
(座談会開催日:2018年10月15日)
20~30代の男性がん患者さん6名に集まってもらい、男性だけの座談会を開催。
仕事のこと、恋愛や結婚のこと、性のことなど、AYA世代の抱える悩み、そして男性同士だからこそ語れるリアルな本音をレポートします。
参加者プロフィール
※年齢・地域は開催当時のものです。
柿本聡さん(37歳)長野県
発症27歳/大腸がん・肛門がん
3歳の時に全身火傷を負い奇跡的に助かったのですが、27歳になって大腸がんと宣告され、直腸を全摘し人工肛門を造設しました。その後、リンパ節、肝臓、肺など多臓器に転移して、現在も治療を続けています。 小学校から柔道を続けていて、子どもたちに教えながら、自分も試合に出場しています。今後はオストメイト(人工肛門を造設している人)として初の高段者大会出場を実現するのが目標です。 患者会に参加したり講演などにも取り組んでいますが、男性だけが集まる会は珍しく、伝えられることがあればと思って参加しました。
宮田航太さん(27歳)栃木県
発症20歳/口腔底がん
20歳の時、口腔底がんと診断され、舌を大きく切除。その後、肺転移で肺の約半分も切除しました。手術後しばらくは胃瘻で栄養を摂取し、流動食を経て1年半後に好物のラーメンを食べた時は本当に嬉しかったです。 現在、大学の博士課程に在学中。鮮明な発音が難しいため、患者会にもなかなか参加しづらかったのですが、同世代の男性が集まると聞き、伝えたいこと、質問したいことがあったので参加しました。
鳥井大吾さん(29歳)東京都
発症25歳/粘液型脂肪肉腫
治療で左の足首からふくらはぎの腓骨や血管や筋肉を摘出しています。その後遺症で長時間立っていると脚がむくんだり、左足首の可動域も狭いのでしゃがむことが難しいです。でも、他は特に問題がないので、ジムに通って筋トレに励んでいます。趣味は格闘技観戦です。 がんに罹患した時、周りに同世代でがんに罹患した人がいなくて、先が見えずに不安でした。現在治療から4年たって元気に仕事をしていることを同世代の患者さん達に伝えたいです。
植田智紀さん(27歳)愛知県
発症18歳/慢性骨髄性白血病
高校卒業後、就職して2年目の頃に職場の健康診断がきっかけで慢性骨髄性白血病と診断されました。未成年であったものの、社会的には自立していたのでショックでした。 その後、学生時代につきあっていた女性と結婚、子どもを授かったんですが、妻の出産直前に脳卒中を起こし、開頭手術を受けて出産に立ち会えませんでした。 現在は、3歳になった娘の育児に奮闘中です。自分が、がん闘病中であることを娘にいつ、どう告げるのかは、今から悩ましく感じています。
村井洸介さん(27歳)茨城県
発症25歳/横行結腸がん
酷い便秘と腹痛で病院に行ったらがんが原因の腸閉塞と分かり、即日入院となりました。あと1週間、無理をしていたら危なかったそうです。 スポーツ全般が好きでテニスや卓球をやっています。サイクリングも好きで大学時代にはキャンプしながら日本をほぼ一周しました。仕事は研究職で罹患前から同じ職場で働いています。後遺症も少なく仕事も安定していますが、男性同士でしか話せないようなことも話せたらと思って参加しました。
岸田 徹さん(31歳)東京都
発症24歳/原発不明胚細胞腫瘍・精巣腫瘍
25歳、社会人2年目でがんと診断されました。 手術、抗がん剤治療、そして再発。2回目の手術では、性機能に障害がのこりました。 お金、仕事、後遺症などAYA世代特有の様々な問題に直面した経験から、現在はがん経験者、特に若い世代や働く世代の仕事や結婚、将来のことに不安を感じる方たちに向けた情報発信を行っています。 これまでたくさんのがん患者さんと交流してきましたが、このような男性患者さんだけが集まって話す機会は貴重なので、ココだけの深い話ができたらいいなと思って参加しました。
- 監修:がん研有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研 先生
2024年2月更新