AYA座談会

がんになった後のパートナーとの関係について

(座談会開催日:2019年11月2日)

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照屋尾崎さんは、がんの手術から割とすぐの時期に、恋愛しようと思ったということですか、きっかけは何でしたか?

尾崎しばらくパートナーがいなくて、一人で生きていこうと思っていたのですが、病気になってから家族とよく連絡を取るうちに寂しさを感じるようになりました。パートナーがいたら心強いかなと思い、婚活サイトで今の恋人をみつけました。そのサイトは自己紹介欄に子どもを持ちたいか否かの欄があり、持ちたい人以外で探したら、たまたま看護師をしている方とご縁がありました。

御舩病気のことは、どのように伝えたのですか?

尾崎ずっと隠したままは嫌だったのですが、早めに伝えたとしても受け入れてもらえるか不安で、いつ話そうか悩みました。結局、1回お会いした後に電話で「私は子どもを産めないけれど、それでもいい?」と聞いたら、悩む感じもなく「いいよ」とすんなり受け入れてもらえて、ホッとしました。

照屋私は最初の手術後、5年の経過観察になると言われた時に、今の彼と付き合い始めました。再発後も家族の代わりに術後説明を聞いてくれたりサポートしてくれましたが、抗がん剤治療の時はドラマなどで怖いイメージが強かったらしく、また、ちょうど友人の母親ががんで亡くなった直後ということもあってパニックになり、結婚についてはどうしたらいいか分からなくなったようです。

御舩彼のご両親はいかがでしたか?

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照屋4年前に彼の母親に初めて会った時は「思ったより元気ね」が第一声でしたが、今は心から心配してくれて良い関係性を築いています。がんのイメージは人それぞれ違うので、そこを上手く伝えることが大事だと思います。

久世私の場合、告知された時は私より夫が取り乱して手当たり次第に電話をかけまくったのですが、先輩に活を入れられて落ち着きました。離婚の話は1度もなく、私には「自分の身体のことだけを考えてくれればいい、お金や子どもの世話は自分がするから」と言ってくれて、本当に助かりました。

御舩しっかり支えてくださっているのですね。がん治療後、パートナーとの性生活に悩んでいるという声を聞くことも多いのですが、みなさんはどうでしょうか。

久世もともと不妊治療の時、子どもをつくるため先生に指示された日に作業するような形でしたので今は一切ない状態です。ただ、がんで性生活が変わったということではありません。

髙桑私は手術で膣を半分摘出して深さがないので、上手く性行為ができないという後遺症があり、「女性として終わった」という気持ちがあります。性行為自体ができない訳ではないので、自然妊娠の可能性がある日はチャレンジしますが、これまでとは全然違うし、私自身は性欲が全くありません。夫も以前と全然違うようで、そこに重きは置いてないですね。

御舩ご主人は手術の後遺症のことを理解されていたのですか?

髙桑手術前の外来はすべて一緒に行き、後遺症についてきちんと説明があったので夫は理解しており、悩んでいなかったようです。

尾崎私の場合、術後6ヵ月間は性交渉禁止だったのですが、ちょうど6ヵ月後くらいに恋人ができて本やネットで情報を得て、大丈夫かなと思ってトライしました。退院後の生活のしおりに「出血が長引く場合は病院に相談するように」とあり、やはり出血しましたがすぐに止まる程度でおさまりました。

御舩知識はあっても、びっくりしますよね。

尾崎翌日はイカスミのような出血があり、少し怖かったですが、これも一つの体験だと思って様子をみました。しおりには「パートナーの方へ」というページもあって「お互いの気持ちを思いやりながらスキンシップからゆっくりと始めましょう」と書いてありましたし、何ヵ月かリハビリすると膣も元の形まで伸びることもあるらしいです。

御舩彼にもしおりを見てもらいましたか?

尾崎看護師なので真剣に読んで、「一緒にリハビリ頑張ろう」と言ってくれました。

御舩術後に初めて性交渉を持つのは不安ですが、パートナーの理解があると安心ですね。

尾崎最初に出血した時は全然痛みもなく、気がついたら出血していた感じでした。それ以降は平気と思っているのですが、また出血したら怖いという思いもあり、不安や葛藤を乗り越えるリハビリが必要なのかなと思います。

髙桑おっしゃるように伸びてくるのですが、お互い怖いのでおっかなびっくりですよね。

島野そういう不安や葛藤がわかるから、パートナーはがんを経験した人がいいという人が多いですね。周りをみると、がんで経験したことを共通点にして仲良くなるようなところがあります。

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御舩確かに多いですよね。

島野がんは自分の中で負い目ではないけれど、助け合う関係のパートナーでないと難しいように思います。そもそも結婚生活はお互いに助け合わないと送れないですし。

御舩がんは人生の全てではなく一部ではあるけれど、がんによって女性としての生き方を変えたり諦めなければならない面も出てきます。でも、がんになったからこそ色々と感じ取れたり経験できることはたくさんあるので、そこはまた違う幸せがあるのではないかと思います。

  • 監修:国立がん研究センター中央病院 清水 研 先生